飲酒否定も別角度の批判が…
SNSの闇の深さを感じる出来事は続いた。
公式に飲酒疑惑が否定されると、「酒じゃなければ乾杯はいいのか」 「勤務中に客と記念撮影すること自体がおかしいのではないか」と、別の論点から批判しようという人たちが出てきたのだ。ただ、これらについても資さんうどんも先んじて「配慮不足」と認めており、大きな炎上を防いでいる。
筆者は福岡出身で、実家の近くに資さんうどんがあり食べに行く機会も多いが、そもそもが大衆的なうどんチェーン店だ。名物の肉ごぼう天うどんに、かしわおにぎりをつけてパッと食べて、パッと出るような早くて、うまい店で、フェミレスというより立ち食いそばにむしろ近い。アルバイトに隙のない完璧さを求めるのは無理がある。少なくとも食品を粗末に扱ったり、不衛生な行為をしたりする、いわゆる「バイトテロ」と同列には扱えない。
また飲酒疑惑が否定された後も、今度はアルバイトの態度を問題視する投稿が相次いだ。その様子を見ていると、いったん振り上げた拳を下ろせず、別の批判材料を探しているようにも筆者には見えた。
筆者はこうした、SNS上で批判する対象を次々と探し、相手を落とすこと自体が一種の活動になっている現象を、「推し活」の逆という意味で「堕とし活」と呼んでいる。一つのアカウントに固執するもの、イナゴのように炎上を飛び回るものなどタイプはさまざまだ。批判されている対象に飛び乗れば、「いいね」やリポストが集まり、自分の意見に多くの賛同が得られる。このSNSの仕組みそのものが「堕とし活」を加速させている。
もちろん、企業や店員の不適切な行為を告発すること自体が悪いわけではない。SNS上の投稿によって問題が明らかになり、企業の改善につながった例もある。ただ「堕とし活」にいそしむ人が増えたことで、ささいなことが炎上のように扱われ、必要以上に企業や個人へのダメージにつながるケースが散見される。
今回の資さんうどんのケースでも、事情が分からないのなら立ち止まっていいはずだ。リアルな社会では断片的な情報しかなければ立ち止まることができるのに、SNSではつい反射的に反応してしまう。時間がたてばのびてしまううどんと違って、SNSの投稿には急いで反応する必要はない。すぐに石を投げるのではなく「この投稿から受けた印象は本当に正しいのか」と少し時間を置いて考えてみることが重要だろう。


※ログイン後、コメント入力が可能です。