冷凍食品に厳しかった夫が料理をするようになると、自ら冷凍チャーハンや冷凍餃子を買ってくるようになった。ひとりの時にチンして食べ、そのおいしさに気づいたらしい。冷凍チャーハンや餃子が食卓に並ぶたびに夫の言葉を思い出す。
わが家では、時間のある日に餃子を手作りすることがあった。皮を薄く伸ばせるようになり、おいしいと評判の具材レシピを仕入れて上達するほど、「冷凍餃子の味やん」になっていった。よって、納得感を持って、「冷凍餃子は、うまい。冷凍餃子でいいやん」となった。
こうして冷凍食品へのイメージが変わった夫は、クリームコロッケやエビフライなど「自分で作るのは面倒な食材」を冷凍から選んで買ってくるようになった。
その話を山本さんにすると、「まさに、それ!」と頷いた。「実際に食べてみたら、こんなにおいしいんだ、専門的な味なんだとわかる。メーカーは冷凍状態からどう再現するかを考えて作っている」。
山本家の実例
山本さんの家庭では、クタクタに疲れた日は夫に餃子の一袋を渡すと、焼いてくれるそうだ。小学生でも焼けるという。そうして、料理で小さな成功体験を積むことができると、次も焼いてくれるようになる。「今や夫は、わが家の冷凍餃子マイスターよ」と山本さんは笑う。その間、横のコンロで具沢山の味噌汁が作れる。サラダを添えれば、それで一食が通る。
「おいしい唐揚げができたら、あとの料理って、考えるのもすごく簡単になるんですよ」
たくさん出ている中からお気に入りの唐揚げを見つけておくのも「間違いない」と、山本さんはいう。レンジでチンして、トースターで1分ほど焼くと、2度手間ではあるが、とてもおいしい唐揚げができるのだそう。
「冷凍食品を一品入れると献立の手間が楽になる。もう一品作る余裕が生まれ、食材が増えて栄養バランスが良くなる」
そうだ、料理は作る以前に献立を考えるところから始まっている。その一品があるだけで、心にも時間にも余裕が生まれる。
冷凍食品は身体に悪い、その漠然としたイメージの根っこには何があるのだろう。山本さんに聞くと、まず出てきたのは、保存料の話だった。


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