有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ライフ #サオリス・ユーフラテスの数字の向こう側

「夕飯が冷凍食品なら外で食べてくる」夫の一言で夫婦喧嘩…なぜ私たちは《冷凍食品=手抜き》と思ってしまうのか

8分で読める
冷凍チャーハン
「夕飯が冷凍なら、外で食べてくる」その夫の一言でケンカに。なぜ「冷食=手抜き」と思われるのか?(写真:筆者撮影)
2/4 PAGES
3/4 PAGES
4/4 PAGES

「加工食品でいちばん心配される添加物は、保存料。でも、冷凍食品は保存料を使っていませんよ」

日本冷凍食品協会は、冷凍食品の条件として「前処理」「急速凍結」「適切な包装」「マイナス18度以下での保管」の4つを定めている。マイナス18度以下では微生物が繁殖できず、腐らない。腐らないものに保存料を使う必要はないので、使っていないのだという。

栄養についても同じだ。4つの条件のひとつ「急速凍結」は、食品の中の水分を細かい氷の結晶にして凍らせることで組織を壊さないため、栄養価も味も風味も保つことができる。温度を下げるだけで約1年もつそうだ。

日本冷凍食品協会によると、冷凍食品の国内生産量は数量ベースで業務用が家庭用を上回っている。外食で食べているものの多くに、冷凍食品が使われていることがうかがえる。夫婦喧嘩の時に口をついて出た言葉は、あながち嘘でもなさそうだ。

冷凍技術の進歩により、栄養価も風味も保たれた冷凍野菜(写真:筆者撮影)

最後の「1」は私たち消費者

「冷凍食品はただの加工食品じゃなくて、システムなんです」と山本さんは話す。

食品冷凍学の鈴木徹先生(東京海洋大学名誉教授)が長年提唱している「システム冷凍」の考え方で、鈴木先生はこれを掛け算の式で表しているのだという。

いい素材を適切な調理をして、急速凍結し、マイナス18度以下で流通して、解凍調理する。この工程のすべてが「1」として機能して初めて、おいしい料理が完成する。もしどこかひとつでも「0」になれば、お皿の上も「0」になってしまう。その最後の「解凍調理」を任されているのは、私たち消費者だ。だから自己流で調理せず、パッケージの表示どおりに調理することが重要なのだ。

「500W5分と書いてあれば、500Wで5分。1000Wで1分でいいだろうなんて思わないで。冷凍システムの最後を担うのは、みなさんなんですよ」

冷凍食品というシステムのアンカーとして適切に調理することに加えて、山本さんはこうアドバイスしてくれた。

「冷凍食品にはいろんなものがあるので、いろいろチャレンジしてほしい。決まったものしか買わない人がすごく多くて、残念だなと思って。うまく組み合わせればとてもヘルシーな生活が送れる」

スーパーには毎日のように通っても、おなじみの冷凍食品を手に取って終わりという人もいるかもしれない。私自身がそうだった。でも、100年の向こう側には、メーカーが手間暇をかけて磨いてきた技術と、そこから生まれたいくつもの商品があった。手抜きではなく、手間抜き。プロと手間を分け合い、いろいろ試しながらおいしい食卓を作れたら、作り手も食べる方も、豊かな時間を過ごせるのではないか。

【合わせて読む】
冷凍食品&アイス食べ放題の「チン!するレストランinFUKUOKA」に行って、冷凍食品を思いっきり食べてみた前編記事はこちら↓
前編:ハーゲンダッツも冷凍食品も「200種食べ放題」コーヒーやお茶も「飲み放題」!…2500円で楽しめる《夢のスポット》行ってきた

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数