それでも2人は付き合っていない。良くも悪くも律儀な智弘さんは「いつ日本に戻るかわからない自分と付き合うのは、祥子さんの時間を無駄にさせてしまう」の一点張り。ここまで関係性を深めても「どうやったら一緒にいられるのか」を考えてくれない智弘さんに祥子さんは怒り、2カ月ほど連絡を絶った。
祥子さんは寂しがりである。智弘さんとの連絡を絶っていた時期は、地元の友人知人に囲まれていたが、「毎日何気ない会話ができる彼が大きな癒しだった」ことに気づいた。辛い日々だったようだ。
しかし、祥子さんの沈黙は吉と出る。智弘さんのほうから、「LINEを送っちゃダメなんでしたっけ? ホームステイが終わって住む家が見つかったので報告しようと思って」という可愛げのあるメッセージが届いたのだ。
祥子さんは、「いいですけど怒ってますよ」と返信。そこからは、祥子さんのペースだった。連絡が戻って間もなく、2人は離れたまま交際を始める。そして智弘さんの本帰国が決まった。今後の関係性をはっきりさせたいと迫った祥子さんに、智弘さんは驚きの返答をする。
「正直すぎる男」から届いた予想外のプロポーズ
「僕は祥子さんの地元には行けません。東京が好きだから。でも、祥子さんが東京に来てくれるなら結婚しますか?」
智弘さんは律儀というよりも、ひたすら正直な人なのかもしれない。頼られたくないと言い、付き合えないと言い、東京から動けないと言う。取り繕わない言葉ばかりが、結果として祥子さんを動かしてきた。こんな形でプロポーズされるとは思っていなかった祥子さんは驚き、考える時間が欲しいと伝えた。
「でも、迷いはありませんでした。地元の職場仲間も大好きだし、飲み屋でも友だちができました。そんな居場所ができたからこそ、地元に執着しなくなったのかもしれません。私が離れてもなくなったりしませんから」


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