薄暗い空間にガラスのショーケースが並び、難解な説明書きがあちこちに貼られている。
博物館といえば、そんな「少し窮屈な学びの場」だと考えがちだ。しかし韓国の首都ソウルにある国立中央博物館(略称・国中博)は、大胆なコラボレーションと個性あふれる記念品が人気を呼び、2025年はあのフランスのルーブル美術館やバチカン美術館に次ぐ世界3位の来館者数を記録した。個人的にはソウル一の名所と言っても過言ではないと思う。
なぜ、これほどまでに来館者数が急増したのか。2026年8月、実際に行ってその謎を確かめてみた。
国中博があるのは、ソウル市龍山(ヨンサン)区だ。最寄り駅は地下鉄4号線と京義中央線の二村(イチョン)駅。駅から博物館までは地下道でつながっており、強い日光や雨を気にせず、入館できる。
入館30分前倒しで9時半から開館
8月中旬の休日だったが、家族連れや年配者が続々と入り口に向かっていく。博物館や美術館は午前10時からのところが多いが、国中博は26年3月から9時30分から入館でき、午後5時半までなのでありがたい。他の観光と組み合わせやすく、1日を有効に使える。入り口には金属探知機のゲートがあり、やや行列ができていたがスムーズに中に入れた。
本館は東館と西館に分かれており、地下1階・地上6階建ての大規模な建物だ。常設展示スペースは1階から3階にわたって展開されており、収蔵品は総計約44万点で、うち約1万点が公開されているという。
チケット売り場があるが、みんな素通りしていく。特別展など一部の展示を除き、常設展は基本的に無料である。
私のお目当ては2階にある「思惟の部屋」だ。韓国語の「思惟(サユ)」という発音が優しく響く。
ここには、三国時代(4世紀~7世紀ごろ)を代表する2つの国宝「金銅半跏思惟像(こんどうはんかしいぞう)」が薄暗い空間に並んでいる。「作品を遮るガラスのショーケース」も「歴史的背景を解説する文字板」もない。
観覧客は、部屋に漂うほのかな香りと神秘的な光に包まれながら、自分の好きな場所から仏像の静かな微笑みを見つめることができる。
歴史の重みの中でしばし自分の毎日を振り返った。携帯電話で写真や動画を撮ることもできる。


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