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このところ、アメリカのスコット・ベッセント財務長官の顔色が冴えないようである。やることなすこと裏目に出て、8月24日に打ち出したイランへの新たな経済制裁も、果たしてどこまで効果があることやら。
長期金利上昇に悩むベッセント財務長官の次の一手は?
悩ましいのは、アメリカの長期金利が歴史的な高水準になっていることだ。米国債の販売責任者である財務長官としては、債券価格が下落する(金利が上がる)ことは針のムシロに座っているようなもの。10年物国債の金利が1%上昇すると、額面では約10%の下落に相当する。「米国債の買い戻し(バイバック)倍増」を発表したことで、金利は一時的には低下したけれども、その効果は1日で消えてしまった。冷や汗たらり、と言ったところか。
7月末にはアッと驚く日米協調介入に打って出た。「日本円を50億~100億ドル買うこと」というメモをメディアにリークするなどの「小技」も使い、「さすがは元ヘッジファンド!」とプロ筋を唸らせたものだが、今になってみると「ああ、あれは円安に苦しむ日本を助けるためというより、米国債を守るための緊急措置だったのね」と正体が見えてくる。情けは人のためならず。ドナルド・トランプ大統領は「介入は日本への友情の証」と言っていたけど、やっぱり本質は「アメリカ・ファースト」なのだ。
となると財務長官として次の一手は、「財政健全化への取り組み強化」というオーソドックスな手法に戻るしかない。そうはいっても、アメリカ政府の債務残高は8月18日時点で40兆ドルの大台を超えている。なおかつ、イラン戦費の支出を決めないままで連邦議会は夏季休暇に入っている。中東情勢がこれからどうなるのか、石油価格はまだ上がるのか、この先もインフレは続くのか、などと心配の種は尽きない。
中長期で言えば、2010年代前半には約1.3兆ドルと日本以上の米国債保有国であった中国が、今では6000億ドル台とピーク時から半減させていることも無視できない。察するに習近平政権は、ウクライナ戦争後のG7による対ロシア金融制裁を見て、「これはマズイ!」と考えたのではないだろうか。


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