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ライフ #井手隊長のラーメン見聞録

なぜ今、油そばではなく「油うどん」なのか…東京を代表するラーメン店主が阿佐ケ谷で始動「異色のうどん店」が凄すぎた

11分で読める
「せたが屋」前島司さん
うどんとラーメンの要素を掛け合わせた「油うどん」の実力とは?(写真:筆者撮影)
  • 井手隊長 ラーメンライター/ミュージシャン
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前島さんがうどんに可能性を感じているのは、料理の面だけではない。実際に店を立ち上げてみると、ラーメン店とは違うメリットも見えてきたという。まず大きいのが、清掃だ。

「スープがないので、汚れないんです。油汚れも少ないので、掃除はラーメン屋さんの半分ぐらいの時間で済みます」

ラーメン店なら1時間ほどかかる清掃が、30分程度で済むという。

さらに、人材採用の面でも違いがある。ラーメン店では外国人スタッフの比率が高くなっている一方、「こん家」には日本人からの応募も多いという。

「ラーメン屋はどうしても『きつい、汚い』みたいなイメージがまだあるようで、人がなかなか集まりません。でも、うどんはそこまでではないようです。これには驚きました」

うどんならではの難しさをどう乗り越えるか

(写真:筆者撮影)

もちろん、うどんにはうどんなりの難しさがある。特に課題となるのが、長い茹で時間と麺のロスだ。茹でた麺をどのタイミングで用意しておくのか。アイドルタイムにどう対応するのか。どれだけ廃棄を減らせるのか。これは、今後店舗を増やしていくうえでも重要なテーマになる。ただ、逆に言えば、そこをオペレーションとして確立できれば、一気に店舗拡大できる可能性もある。

原価についても、ラーメンよりは抑えやすいという。大きな理由はスープだ。ラーメンはスープに多くの原価をかけることがあるが、油うどんはその必要がない。汁ありのうどんにしたとしても、あっさりめのダシがメインになるので、ラーメンほどの食材費はかからない。

とはいえ、阿佐ケ谷という街で価格を設定する難しさもあった。

「価格の『1000円の壁』については悩みました。この地域は安いですから」

その結果、「元祖油うどん」は950円で提供することにした。うどんとしては決して安くはないが、ラーメンと比べればまだ手を出しやすい価格帯だ。今後は肉増しなど、客単価を上げるためのメニュー展開も考えているという。

店頭にあるメニューの看板。阿佐ヶ谷という立地に合わせて、1000円を切る金額から楽しむことができる(写真:筆者撮影)
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