前島さんがうどんに可能性を感じているのは、料理の面だけではない。実際に店を立ち上げてみると、ラーメン店とは違うメリットも見えてきたという。まず大きいのが、清掃だ。
「スープがないので、汚れないんです。油汚れも少ないので、掃除はラーメン屋さんの半分ぐらいの時間で済みます」
ラーメン店なら1時間ほどかかる清掃が、30分程度で済むという。
さらに、人材採用の面でも違いがある。ラーメン店では外国人スタッフの比率が高くなっている一方、「こん家」には日本人からの応募も多いという。
「ラーメン屋はどうしても『きつい、汚い』みたいなイメージがまだあるようで、人がなかなか集まりません。でも、うどんはそこまでではないようです。これには驚きました」
うどんならではの難しさをどう乗り越えるか
もちろん、うどんにはうどんなりの難しさがある。特に課題となるのが、長い茹で時間と麺のロスだ。茹でた麺をどのタイミングで用意しておくのか。アイドルタイムにどう対応するのか。どれだけ廃棄を減らせるのか。これは、今後店舗を増やしていくうえでも重要なテーマになる。ただ、逆に言えば、そこをオペレーションとして確立できれば、一気に店舗拡大できる可能性もある。
原価についても、ラーメンよりは抑えやすいという。大きな理由はスープだ。ラーメンはスープに多くの原価をかけることがあるが、油うどんはその必要がない。汁ありのうどんにしたとしても、あっさりめのダシがメインになるので、ラーメンほどの食材費はかからない。
とはいえ、阿佐ケ谷という街で価格を設定する難しさもあった。
「価格の『1000円の壁』については悩みました。この地域は安いですから」
その結果、「元祖油うどん」は950円で提供することにした。うどんとしては決して安くはないが、ラーメンと比べればまだ手を出しやすい価格帯だ。今後は肉増しなど、客単価を上げるためのメニュー展開も考えているという。


※ログイン後、コメント入力が可能です。