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ライフ #井手隊長のラーメン見聞録

なぜ今、油そばではなく「油うどん」なのか…東京を代表するラーメン店主が阿佐ケ谷で始動「異色のうどん店」が凄すぎた

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「せたが屋」前島司さん
うどんとラーメンの要素を掛け合わせた「油うどん」の実力とは?(写真:筆者撮影)
  • 井手隊長 ラーメンライター/ミュージシャン
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「実はうどんとラーメンだったら、食べるときによりワクワクするのはラーメンなんです。うどんを食べるときはどうしても麺や小麦、熟成、塩など細かく分析してしまうんですが、ラーメンはスープのバリエーションがあまりにも豊富なので、細かいことを考えずに楽しめるんです。でも、自分はあくまで『麺』を研究していきたいので、うどん屋のまま死ぬと決めています」

そんなラーメン好きのうどん屋であるこんさんが、前島さんとともにラーメンっぽさを加えた「油うどん」を作るというのは、それだけであまりに興味深い取り組みだ。

インパクトのある味を目指してジャンクな方向性に

(写真:筆者撮影)

二人が試作で目指したのは、従来の汁なしうどんよりも明確にインパクトのある味だった。

「タレを強くしていくと、通常のうどんでは負けてしまいます。でも、どうせやるならインパクトを出しましょう、ジャンクな方向に振りましょう、と」(前島さん)

その結果、完成したのが、醤油ダレに背脂、豚の生姜焼き、いか天玉、カツオ節、ネギ、ショウガ、生卵を合わせた一杯だった。

「こん家」の麺は、9~11分程度の茹で時間。ふんわりとしたうどんならではの麺の食感が何とも美味しい(写真:筆者撮影)

実際に食べてみると、まず驚くのが麺だ。極太のうどんは、なんとこの日は10分強の茹で時間。日によって9~11分程度の調整を行っている。ふんわりとしたうどんならではの麺の食感が何とも美味しい。

この茹で時間は一般的なラーメンの感覚からすればかなり長い。しかし、ここに今回のプロジェクトの面白さがある。

前島さんは当初、7分程度で提供できないかと考えていたという。提供時間やオペレーションを考えれば、短いほうが当然いい。

ところが、こんさんは納得しなかった。

「こんさんは『絶対に太いうどんを合わせた方が美味しい』と譲りませんでした。『そこまで言うなら』と僕も折れ、麺に関してはこんさんの言う通りにしようと腹をくくりました」(前島さん)

最終的にはオペレーションを工夫することで、10分ほどという茹で時間を実現した。

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