もうひとつ、大きなきっかけとなったのが、井上こんさんの店「うどんスナック 松ト麦」で食べたうどんだった。ここで、うどんの麺の美味しさを改めて感じた前島さん。ラーメンはスープが重要視される一方、うどんは何よりも麺そのものの存在感が大きい。だからこそ、スープを主役にするのではなく、麺の食感や風味をしっかり味わえる「油うどん」というスタイルが合うのではないかと考えた。
ラーメン好きのうどん屋と一緒に作った「油うどん」
前島さんは井上こんさんに声を掛け、早速試作を始めた。試作を重ねる中で手応えもあった。
「『初めて食べる味だね』『こんな食感は初めて』と言っていただくことが結構あって。これはいけるんじゃないかなと思いました」
こんさんは、前島さんから話を持ちかけられた際、詳しい内容を聞く前から「やらせてください」と即答した。
「無責任という意味ではなく、ラーメンもお人柄も魅力的な方のもとで仕事できるチャンスを逃してはならない、と本能的に思ったんだと思います」
こんさんにとって前島さんは、これまでも節目節目で大きなチャンスを与えてくれた存在だ。
一方で、こんさん自身はラーメンが大好きでありながら、これまでラーメン店をやろうとは考えてこなかった。その理由が面白い。


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