有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ビジネス

「一体誰が使ってた?」フードデリバリー「menu」がサービス終了…ベテラン配達員が「もはや業界自体が厳しい」と嘆く事情

8分で読める
menu
9月30日をもってサービスの提供が終了となるフードデリバリー『menu』(画像:公式サイトより)
  • 佐藤 大輝 肉体派ライター・ウーバー配達員ライター
2/4 PAGES
3/4 PAGES
4/4 PAGES

またこれは今更言ってもしょうがない小言、愚痴、結果論なのだけど……。まともな配達員と質の悪い配達員、両者の間でこれといった「待遇の差」を設けなかったのは、業界全体にボディーブローのようにダメージを与えた気がする。清潔感があり礼儀正しい配達員も、マナーが悪くて清潔感に欠けるような配達員も報酬単価、つまり“基本給”は横並び……。

長く働けば働くほど報酬は増えるっちゃ増えるのだけど、どことなく資本主義ではなく社会主義っぽい制度だと私は感じていたし、社会主義下では働くモチベーションが下がることは歴史が証明している通りだ。

あっちもボコボコ、こっちもボコボコ。まるでフランケンシュタインみたいに“つぎはぎ”だらけ。絶体絶命、孤立無援、四面楚歌みたいな悲惨な状況に、今のデリバリー各社は苦しんでいるように私には見える。

業界の縮小は今後の既定路線か

市場全体のパイが縮小傾向の今、3社は無理だから2社、2社は無理だから1社……。Woltやmenuが撤退したように、今後も業界の淘汰は進んでいく可能性が高いのではないか。

振り返れば私は今年、フードデリバリーをたぶん1回くらいしか利用してない。だって配送手数料とかサービス料とか、当たり前っちゃ当たり前だけど、なんだかんだ店頭価格より高いんだもん。自分で買い行った方が安いし、変な人が持ってきて不快な気持ちになるもの嫌だし……。

その一方で、国外に出ると今でも配達用の四角いバッグ(心無い方から「負け組ランドセル」と呼ばれている)を背負い、汗を流す配達員の姿をよく見かける。先日旅した中央アジアのカザフスタン、地中海に浮かぶマルタ共和国では、日本から撤退したWoltが存在感を放っていた。

マルタ共和国(写真:筆者撮影)
カザフスタンでは『YandexGO』という企業が頑張っていた(写真:筆者撮影)

国内と国外、いったいこの違いは何なのか。もしかしたらこの謎の中に、日本のフードデリバリー業界にとって“起死回生”のヒントが隠れているのかもしれないし、実は何も隠れていないのかもしれない。「そもそも日本人は外食に求める水準が異常に高い。それに手数料、配達費用を上乗せした価格帯は許容できない人が多い」というだけの可能性もあるのだから。もし仮に1回の配送で300~400円程度の報酬を支払ったら、どなたかその「答え」をデリバリーしてくれるのだろうか?

とは言え、一介の配達員に過ぎない筆者に一発逆転の好手は浮かばない。淘汰が進み、残り2社、1社となった時に利益を生み出せるビジネスになるのだろうか。個人的には、そんな明るい未来はなかなか想像しがたいのだけれど……。

【関連記事】「高すぎて頼めない」「配達員も稼げずどんどん離脱」…ウォルトが「日本撤退」を発表。現役配達員が感じていた"予兆"とフーデリ業界の厳しい現状

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数