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お盆を前に、85歳になったばかりの祖母に電話をかけた。「誕生日プレゼントで取り寄せたあの靴、もう届いた?サイズは合った?」とわたしが聞けば、「うん。それでこないだの桃は、もう食べたかい?そろそろ食べごろだよ」と祖母が返す。わたしたちの会話は、いつも気づけば食べものの話題にすり替わっている。
すいかの皮はおいしい。もったいないから食べるのよ
夏はこの季節ならではの話題が尽きない。「ももは寒がりだから、アルミホイルで包むと冷蔵庫のなかで長持ちするよ。まだ食べないなら包んでおいて」祖母のちょっとした会話のなかに、暮らしの知恵があふれている。
「今年はすいかが豊作だよね。小玉すいかが300円で買えたよ」ももの次は、すいかの話へ広がった。「ねえ、そういえば、すいかの皮ってどうしてる?」大量に余るすいかの皮も、祖母ならきっと上手に活用するのだろうと思って尋ねると「すいかはね、昔は皮まで食べたわ」と懐かしむように話す。
祖母は鳥取の緑豊かな山あいで育った。まだ家に冷蔵庫もない時代、沢の水でキンキンに冷やしたすいかが、何よりの夏のごちそうだったらしい。 「皮はしましまの硬い緑のところだけ薄くむいてね、白と緑色のところを塩で浅漬けにするの」「すいかの皮はおいしい。もったいないから食べるのよ」身ぶり手ぶりを入れ微笑む姿が、電話ごしに目に浮かぶ。


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