食べものが限られていた当時、残さず食べることは、生き抜くためにだれにとっても当たり前のこと。「残さず食べなさい」と声をかける必要はなかったのか……。だからこそ祖母は、食べもののありがたみを知っているし、余さず食べるから長生きで、85歳になっても元気に暮らしているのだろう。
戦後を生き抜き、令和に生きる祖母は「今はお金さえあれば、食べものに困らない」「のほほんと生きているわ。年金生活だけれど」と笑う。
「おいしいから」「もったいないから」自然体の気持ちを未来へ
よく笑いよく食べる85歳の祖母は、だれよりも「食べもののありがたみ」を知っている。苦労のなかで生き抜くために得た「昔ながらの知恵」が、長生きの秘訣なのかもしれない。
食べものを余さず味わう工夫は、サステナブルの推奨される今なら、「地球にやさしい食品ロス削減」の取り組みともいえる。けれど、いつも気負うことなく自然体の祖母を見ていると、「食」について難しく考え「意識を高く持つ」必要はないのだと気づかされる。
ただ「おいしいから」「もったいないから」……ありのままの気持ちは、心にすうっとなじんでいく。そして、祖母のやさしさとともに、平成生まれの孫のわたし、令和生まれのひ孫にも「おいしい記憶」として、伝わっていくのだ。


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