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「クマも山火事も他人事じゃない」50キロを担いで登る"山仕事のプロ"が警鐘《手入れされない山》がもたらす危険

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株式会社山屋代表の松見真宏さん
手入れが行き届かず荒れた山。今、全国で増えている(写真:松見さん提供)
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山屋という看板の下で、山の安全行動の専門家である山岳ガイドや、有事にチームワークを発揮する予備自衛官、地域の植物や生態系に詳しい調査員など、さまざまな専門性を持った人たちが所属するからこそ、多角的なニーズに応えることができるのだ。

「これでお金をとるの?」山仕事が職業になるまで

登録パートナーの報酬は、案件ごとの危険性や身体強度などによって変動するが、平均すると1日の報酬は2万円程度。1カ月に20日働けば、十分生活していける金額である。といっても、山屋は人を紹介して手数料を取る会社ではない。顧客に対しては仕事の完成まで責任を負い、パートナーに対しては営業や契約、保険、安全対策の設計といった「山の現場以外の仕事」を丸ごと引き受ける代理店のような役割だ。だからパートナーは、現場の専門性に集中できる。

しかし、山屋がおこなっている山の仕事は当初、きちんとした職業として認識されなかった。インフラ設備の点検や調査も、従来、建設会社や環境調査会社など、それぞれの会社にいる「山担当」がカバーしてきたことがほとんどだからだ。登山道整備も、登山愛好家や地元の有志などのボランティアによって成り立っていた。

私たちが安全に山登りできるように、誰かが登山道を整備してくれているのだ(写真:松見さん提供)

けれども、山と多角的に関わり、山の仕事だけをして生きていきたいと考えていた松見さんにとって、それでは生活は立ち行かない。山で仕事をするあらゆる職種の人に話を聞き、山仕事を持続可能な「職業」とするために、2016年から「山屋」を名乗り始めた。

当初は「これでお金をとるの?」と言われたり、働く側にも「これは好きでやっていることだから」と金銭の授受を敬遠する文化があった。ところが、働き方改革が進んだことに加え、担い手の高齢化や退職も重なり、従来各業界に存在していた「山担当」の数が急速に減少してしまった。山に関わる仕事の需要は依然として存在するにもかかわらず、だ。

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