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「クマも山火事も他人事じゃない」50キロを担いで登る"山仕事のプロ"が警鐘《手入れされない山》がもたらす危険

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株式会社山屋代表の松見真宏さん
手入れが行き届かず荒れた山。今、全国で増えている(写真:松見さん提供)
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「正解はこれ、と断言するのはとても難しいんです。クマと遭遇したときの距離やクマの警戒レベルによって、こちらのとるべき行動は変わります」

ただし、「少なくとも攻撃を受けている段階で反撃することは最適解ではない」と松見さんは言う。攻撃を受けた場合は、「うつ伏せになって地面に顔を擦り付け、頚椎を両手でおさえる」ことで、顔と内臓、首を守るのが、松見さんが知る限りの基本対応だ。調べてみると2025年7月の『臨床整形外科』で、秋田大学の研究チームがこの防御姿勢の有効性を示していた。

人間と動物の住まいの境界線が曖昧に

しかしなぜ、ここまでクマが人と遭遇するようになってしまったのだろう。松見さんは、「諸説あって難しいですが」と前置きした上で、こう続けた。

「人間の社会と動物が住んでいる山の境目がわかりにくくなっているわけですよね。人間が山に働きかける要素が少なくなって、人間は山がどうなっているかわからなくなっているし、クマも人間を脅威だと認識できなくなっている。その結果、野生動物が人間のいる場所に出てきてしまっているというのはあると思います」

クマだけでなく、シカやイノシシなどの野生生物の行動も変化し、農作物や高山植物が食い荒らされる被害も多くなっている。山屋では、捕獲した有害鳥獣を背負って下ろしたり、防除のための柵を設置する仕事の相談も増えているそうだ。

クマのニュースが増えているが、カモシカによる森林被害も起きている(写真:松見さん提供)
ライチョウの調査を依頼されることも(写真:松見さん提供)

国土の70%が森林の日本。高度経済成長前までは、山は生活に必要な資源の供給地だった。昔話に「おじいさんは山へ柴刈りに……」と出てくるように、薪や食料を山から得ていた。

ところが戦後、石油エネルギーが大量に輸入されるようになると、家庭でも化石燃料が使われるようになり、生活様式や働き方も変わって、山を資源として活用する必要がなくなった。高齢化も進み、日常的に山に携わる人の数は激減。林野庁によると、林業従事者は過去40年で3分の1以下に、また環境省によると狩猟免許所持者数もおよそ半数になったという。

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