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東日本大震災やコロナ禍など、「当たり前」だった暮らしの地盤が揺らぐたびに、住む場所や生き方を見つめ直す人が増えてきた。地方移住への関心が高まる一方、「どこがいいかわからない」と立ち止まる人も多い。
全国47都道府県を取材し、自身も首都圏から長野県信濃町に移住した編集者・徳谷柿次郎(とくたに・かきじろう)さんは「そもそも地方移住という言葉の解像度が低すぎる」と語る。
つまり、憧れや言葉の響きだけで、現地のリアルな暮らしのイメージがぼんやりしているということだ。では、どう解像度を上げればいいのか。移住先を「選ぶ」前に、まず自分を「知る」こと。そのヒントを聞いた。
世界情勢で変化した「移住」への意識
・2017年 東京と長野市で2拠点生活を開始
・2019年 東京の自宅を解約し、長野市へ移住
・2021年 長野県移住総合メディア「SuuHaa」立ち上げ
・2022年 長野市内に編集会社Huuuuのオフィス兼コミュニティスペース「MADO」を開設
・2023年 信濃町に移住し自宅を構える。全国47都道府県を取材で制覇!
「大前提として、人間はもともと移り住む生き物だと思っているんですよ。定住革命って、稲作などの文明の発達によって人が土地に縛られるようになったもので。基本的には、人間は自然環境とか食料確保の観点から、よりよい土地へ移動するのが自然なことだと思っていて」
徳谷さんが、「地方移住」というテーマを語るとき、まず持ち出すのは2011年の東日本大震災だ。これまでの「当たり前」が大きく崩れた震災を機に、単なる「引越し」とは異なる「移住」という概念がより身近なものとして浮かび上がってきた。当時は東京で編集者として働いていた徳谷さん自身も、「このまま大都市で暮らしていていいのか?」という危機感を覚えたという。その後近年のライフスタイルの多様化も重なり、「人が移り住むこと」は社会的なトレンドへと定着していった。


