フォルクスワーゲン(以下VW)といえば、ゴルフに象徴される「手の届くドイツ車」として、長年にわたり日本の輸入車市場を牽引してきたブランドだ。
長らく価格は300万円前後。若い世代が初めて買う輸入車の筆頭候補であり、BMWやメルセデス・ベンツとは明確に異なるポジションにいた。
しかし、2025年現在のVW購入者データを見ると、その姿は10年前とは大きく異なっている。平均車両価格は508万円。購入者のほぼ半数が60代以上であり、ボディタイプは半数近くがSUVだ。
今回は、14年から25年までのVW新車購入者の変化をデータで追い、VWがどのように変わったのかを見ていきたい。
※分析対象は2014年1月〜2025年12月の新車購入者
VW新車購入者:4,510名
なお、使用データは市場調査会社のインテージが毎月実施している、自動車に関する調査「Car-kit®」である。
ハッチバック中心からSUVの台頭へ
VWといえば「ゴルフ」と想起する人は多いだろう。ゴルフは、長年にわたりブランドを代表する看板車種であり続けた。
そして、VWといえばハッチバック車が主力であった。14年購入者のデータでは、ハッチバック(主にゴルフ、ポロ)が全体の78%を占めていたほどだ。
BMWやメルセデス・ベンツのようなセダン中心の輸入車ブランドとは異なり、VWはコンパクトなハッチバックで、品質と走りの良さを比較的手の届きやすい価格帯で提供するブランドであった。
しかし、17年の「ティグアン」刷新、19年の「T-Cross」、20年の「T-Roc」投入を経て、20年にはSUVがハッチバックに肉薄。21年以降はSUVが首位に立ち、25年はSUV:46%・ハッチバック:41%という構成に逆転している。


