ここまでボディタイプ、価格、年齢層の変化を見てきたが、もう一つ重要なデータがある。それはVW購入者が「乗り換え前に何に乗っていたか」、すなわち前有車のメーカーだ。
結果を見ると、25年のVW購入者の79%が前の車もVWだった。14年時点では49%であり、10年間で30ポイント上昇している。
VWからVWへの買い替え、つまりリピート購入者が増え続け、競合からのスイッチ、新規獲得が細る構図となっている。
国産メーカーからのステップアップも今や
注目すべきはトヨタからの流入の変化だ。
14年にはVW購入者の5人に1人がトヨタからの乗り換えだった。「トヨタの次のステップアップとしてVW」──そういう購買パスがたしかに存在していた。しかし、25年にはわずか6%。ホンダ・日産からの流入に至ってはほぼ消滅している。
逆に言えば、現在のVW購入者の大多数は「すでにVWに乗っている人」。VWへの信頼度、好感度が高いとも言えるが、外から新しい顧客を呼び込む力が弱まっているとも言える。
なお、VWから他メーカーへ乗り換えた人を見ると、多くの車種に分散しているが、上位には日産「ノート」、ホンダ「フリード」、トヨタ「シエンタ」、トヨタ「ヤリス」、ホンダ「フィット」といったモデルが並ぶ。
ノート、ヤリス、フィットといったハッチバックがランクインしていることから、前半で述べた通り、もともとVWが強みとするセグメントを求める人々が流出していったことがわかる。フリード、シエンタはミニバンであるが、コンパクトさをセールスポイントとするモデルであることからも共通項が見て取れる。


