急速に少子高齢化が進む中国で、要介護高齢者が急増している。
最近『中国農業大学学報(社会科学版)』に掲載された学術論文によると、中国の都市部・農村部を合わせた要介護高齢者(中国語で「失能老人」)の人口は、2025年の2029万人から35年には2987万人へ増加する見通しだ。要介護の高齢者全体のうち、都市部が61%、農村部が39%を占め、35年には家庭介護に伴う経済的負担は年間1兆元(約23兆円)を突破すると分析している。
この論文は「都市・農村高齢者の健康状態および家庭介護の需要予測」という表題で発表された。南開大学経済学院の成前・副教授と、中国人口・発展研究センターおよび国家衛生健康委員会人口ビッグデータ意思決定支援重点実験室の李月・副研究員が共同で執筆した。
2035年に4600万人との政府予測も
要介護高齢者数の試算については、中国・民政省の関連統計でも、現在約3500万人に達し、高齢者全体の11.6%を占めるとされており、さらに35年には4600万人に増加するとされる。民政省の統計と前述の学術論文の推計には差があるものの、いずれも中国の要介護高齢者数が急速に増加することを示している。
要介護の定義や認定基準が違うため、比較は難しいものの、日本の要介護者数は25年時点で723万人。総人口に対する比率を単純計算すれば日本の11倍強の人口を抱える中国は現在、2.4%(民政省統計の3500万人で計算)と日本の5.8%の半分以下だが、10年で要介護高齢者が500万~1000万人増えるという中国の各種試算は今後の社会保障負担が急増せざるを得ない状況を浮き彫りにする。

