チロルチョコの新商品は年間約50種類に及ぶほか、それぞれのコンビニ限定のものも開発しているそうだ。最近のヒットは「カラースプレー」だ。
カラースプレーは製菓材料で、チョコバナナにかかっているカラフルなトッピングを思い浮かべてもらえればわかりやすいだろう。ある界隈で、さまざまなものにカラースプレーをかけて食べるブームに着目。社内にカラースプレー好きがいたことが開発のきっかけとなった。そのためか「カラースプレーをわかってる」「攻めてる」と注目され、品切れが懸念されるほどの人気となったそうだ。
サウナ体験を再現した「サウナチロル!?」
中には挑戦的な味もある。24年に発売した「サウナチロル」は、ヒノキのフレーバーを使用するなど工夫を重ねサウナ体験を1粒で再現した。これもサウナ好き社員の熱量が原動力となり、温泉施設に置いてもらうなど、販路を広げた商品でもあった。
このように、こうした「一見、攻めすぎ」とも思えるユニークなアイデアを次々と形にできるのは、独自の開発体制にある。開発部は味を決める研究室、パッケージデザインなどを行う企画室、ファンとのコミュニケーションを行うマーケティング室の3室から構成されており、商品開発も3つのチームが連携しながら行っているという。
とくに同社が最近重視しているのはファンとの距離を近づける「ファンベースマーケティング」だ。メディア向けに社内の様子を発信する、社員と交流できるファンイベントを開催するなどだ。時には、ファンからの声を開発に生かすこともある。
そしてブランドの魅力を語るうえではコアなファンの存在も欠かせないだろう。
チロルチョコのメイン顧客層は30〜40代女性。購入場所は、コンビニ、スーパー、ドラッグストアなど。オフィスが多い立地のコンビニでは仕事の合間の息抜きで1粒タイプのものが、スーパーやドラッグストアでは、袋入りのタイプが、子どもとともに食べるおやつとして売れるそうだ。
その中で、単なるおやつを超えて、例えばチロルチョコの新商品が出れば必ず買う、パッケージやグッズを集める、SNSなどで公開する等、コアなファンが存在する。
「ファンの方々がチロラー、チロリストなどの名称で活動していることを知り、社長と相談し、公式のファン名称として『チロリスト』となりました。チロルチョコはパッケージがきれいに剥がれるので、コレクションしている方も多いです」(川崎氏)

