新商品は、年に3回のペースで発売される。作品のクオリティを格段に高めるタイヤパーツや関節部分となるボールジョイントなど、特殊なパーツも生まれてきた。タイヤパーツは、乗り物の車輪として考案されたものだったが、ファンが怪獣の「目」として使い始めたことで、新たな表現として広まった。限られたパーツだからこそ起きる「ひらめき」だ。
開発部の永井雅彦課長は、新商品の開発についてこう語る。
「新商品の開発は、ジレンマとの戦いです。お客さまの声を参考に、新しいパーツを加えるかどうか社内で慎重に議論しているんです。パーツを増やせば増やすほど、もっと表現の幅が広がるとは思います。ですが、あくまでもLaQの基本パーツは7種類なんです。限られたパーツでどこまでの表現ができるか、その発想が『LaQらしさ』だと思っています」
慎重に厳選する商品開発のスピードは、決して速くない。保育園の4歳以下の子どもにも誤飲のおそれがなく安全に遊んでもらえる大型ブロック「LaQハート」は、構想から発売まで約10年かかった。パーツが大きいと誤飲の心配はなくなるが、重さや噛み合わせなど、ミリ単位の調整に時間がかかったという。
増やしすぎない。急がない。メーカーとしてやるべきことに、資源と時間を集中させる──。この姿勢が最も大きな決断として表れたのが、2019年だった。
「LaQ以外の商品」を手放したら、売り上げが伸びた
「LaQの売り上げは、売れ始めた2000年頃から比べ大幅に伸びています。特に、転機となったのは2019年です」(河部さん)
ヨシリツはそれまで、書店向けに卸す玩具や文具などLaQ以外の商品を仕入れて販売する卸業も担っていた。決して小さくない売り上げだ。それを、自ら手放す決断だった。
「LaQの売り場づくりにかけるべき時間が、他の商品への対応に取られていました。メーカーとしてやるべきことに資源と時間を集中させる。社長の決断です」(河部さん)


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