5位の浙江省は、同じく華東沿海部に属する江蘇省と類似した産業構成を示している。製造業の集積が厚く、特に機械、化学、電気機器、輸送機器、繊維・衣服関連の現地法人が多い。一方、同じく華東沿海部に属する上海市では、卸売業の比重が高い点が特徴であり、浙江省や江蘇省とは異なる産業構造がみられる。
管理・サービス機能の集積が進んでいる北京市
興味深いのは、6位の北京市では現地法人数が最も多い業種が製造業ではなく、統括会社である点だ。中国事業全体を統括する機能を首都・北京に置く企業が多いことがうかがえる。統括会社に続くのはその他サービスと情報・システム・ソフトで、それぞれ30社前後となっている。ランキング上位10地域の中では、北京市は管理・サービス機能の集積が進んでいる点に特徴がある。
7位の山東省では、機械関連の現地法人が31社と最多であるが、食料品、輸送機器、繊維・衣服関連もそれに続いており、上位業種間の社数差は比較的小さい。産業構成は比較的分散しているといえる。
8位の天津市では、輸送機器の現地法人が51社と最多で、2位の化学(22社)に倍以上の差をつけている。この傾向は9位の湖北省にも共通しており、両地域とも輸送機器関連の現地法人が他業種を大きく引き離していることが特徴だ。
中国における日系企業の立地は、依然として沿海部を中心とする構造が続いている。ただし、その内訳をみると、製造拠点、卸売機能、統括機能、サービス機能など、地域ごとに異なる役割分担が形成されている。
特に、日系企業の最大の進出先である上海市では、卸売業の現地法人が突出して多く、従来の製造拠点としての役割に加え、販売・流通拠点としての機能も高まっていることがうかがえる。
こうした変化は今後、他の地域にも広がる可能性がある。現地法人数の増減だけでなく、こうした地域別・業種別の特徴に着目することで、中国における日系企業の事業展開を立体的に捉えることができそうだ。

