コンビニという空間は、ある意味で人間の購買行動を最大化するように作り込まれています。だからこそ、入る前の仕組み作りが、手に入る食品の質を大きく左右します。
ピッツバーグ大学のバークらは、食事・運動・体重の自己モニタリング(自分の食行動を記録・観察すること)と体重管理の関係を調べた22本の研究をまとめたシステマティックレビューを発表しました。
記録の完成度が高い人ほど、有意に多くの体重を減らしており、モニタリングが高い完成度で続いた週ほど、体重の減り方も大きかったことが示されています。
食べたものを記録するだけで選択の質が上がり、摂取カロリーが下がっていく、という流れです。
コンビニでの買い物も同じで、「何を買うか」を意識する習慣があるだけで、手が伸びる先がじわじわと変わっていきます。
自分だけの「購入定番セット」を決めておく
さらに強力な仕組みが、「もし~なら、~をする」という先回りプラン(実装意図、if-thenプラン)と呼ばれる計画の立て方です。
コンスタンツ大学のゴルヴィッツァーは、「もし~なら、~をする」という形式で事前に行動を決めておくと、実際の行動が大幅に変わることを明らかにしました。
「コンビニに入ったら、まず野菜コーナーに行く」「サラダチキンが売っていたら必ず買う」といった形で決めておくことで、脳が自動的にその行動を実行しやすくなります。衝動的な選択が入り込む隙間を、事前の計画でふさいでしまうイメージです。
具体的には、コンビニで買う「定番セット」をあらかじめ決めておくことをお勧めします。
たとえば、「サラダ+サラダチキンまたはゆで卵+味噌汁」というセットを自分の定番として登録しておけば、入店してからあれこれ迷う時間が減っていきます。迷う時間が減れば、目に入ったスナック菓子に手が伸びる機会もおのずと減ります。
毎回完璧な選択をしようとするのではなく、「定番を決める」という1度の手間が、その後の何十回もの選択を軽くしてくれるのです。

