だが、東京油組総本店は、ホットランドHDが生み出したブランドではなかった。
“汁なし”は、なぜ強みになるのか
東京油組総本店は、ホットランドHDが一から立ち上げたブランドではない。展開してきたのは、つけ麺・油そば・ラーメンなどを手がける株式会社サッポロ実業だ。同社が油そば業態を始めたのは08年のことで、ホットランドHDが加わったのは、それから9年後の17年。当初は、東京油組総本店のFC店を展開する立場だったが、19年8月には、サッポロ実業を本部とするマスターフランチャイズ契約(特定エリア内で独占的にブランドを展開できる契約のこと)を結んでいる。
つまり東京油組総本店は、ホットランドHDがゼロから育てたブランドではない。すでに商品力を持つ油そばブランドを、後から自社の出店・運営力で広げてきた業態だ。
それでも、いまではホットランドHDの有価証券報告書に、69店という規模で堂々と記載され、同社グループの主食業態として整理されている。なぜ、後発のホットランドHDがここまで伸ばせたのか。
ホットランドHDの有価証券報告書では、東京油組総本店について「“汁なし”ゆえにテイクアウト・デリバリーにも適しており、高利益体質の業態に成長してきた」と説明されている。決算短信でも、主食事業の中で「特に利益率の高い東京油組総本店」の新規出店に注力したと記載がある。
スープを伴う麺業態では、持ち帰りや配達で汁漏れ・温度管理などの課題が生じやすい。その点で、ホットランドHDは東京油組総本店を“汁なし”ゆえにテイクアウト・デリバリーにも適すると説明している。
テイクアウト・デリバリーにも適する……そう聞いて、なにか思い出さないだろうか。そう、「銀だこ」だ。似て非なる商品と思われがちだが、商品としての強みが油そばと共通しているのだ。

