INDEX
サッカーのワールドカップ(W杯)2026北中米大会で、NHKが大いに見直されている。
音声トラブルを起こしたDAZNの配信に比べて圧倒的に安定した中継の品質、さらには元日本代表・本田圭佑氏の自由すぎる解説に悪乗りする日本テレビに対して、本田氏のコメントを的確にフォローした掛け合いはNHKの真面目な中継だからこそ生きる、と賞賛された。
NHKの井上樹彦会長が会見でわざわざその好評ぶりに触れたのは、よほどうれしかったのだろう。実況を担当したアナウンサーに会長自ら電話をかけたという話まで伝わってきた。井上会長にとって、久しぶりに気分のいい話題だったはずだ。
「値上げするタイミング」発言で大炎上
だが、NHKが6月23日に発表した2025年度決算は、その高揚感に水を差すものだった。受信料収入は前期比0.9%減の5851億円で、7期連続の減収。一般企業の利益に相当する事業収支差金は318億円の赤字で、3期連続の赤字決算となった。
この決算発表を受けた取材で、経営委員会の古賀信行委員長は「物価高が続く中、本来なら値上げをするタイミングだと個人的には思う」と語った。「ただし、安易に値上げとは言えない状況だろう」とも付け加えたが、すぐにネット上で炎上。「値上げの前にやることがあるはずだ」という反応がSNSにあふれた。NHKをディスるネタを手ぐすね引いて待っている新聞社が「値上げ」を見出しにして報じた結果だった。
皮肉なことに、古賀氏の発言はNHKが抱える矛盾を言語化してしまった。値上げをすれば反発を招き、現状維持だと赤字が続く。NHKはもう、持続不可能な状態に陥っている。

