6月24日午後2時から、東京都調布市の角川大映スタジオで開催されるKADOKAWAの定時株主総会。同社経営陣は、例年以上の強い緊張感の中でその場に臨むこととなる。
筆頭株主であるオアシス・マネジメント(以下オアシス)が夏野剛社長の解任を求める株主提案を提出し、アメリカの議決権行使助言会社であるインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)とグラス・ルイスも、賛成を推奨しているからだ。
アクティビスト(物言う株主)が名門出版社に突き付けた、「トップ解任」の提案。KADOKAWAの株主たちは今日、どのような審判を下すのか。
裏目に出たIP拡大戦略
オアシスが問題視したのは、夏野社長の在任期間中における営業利益とROEの低下だ(詳細はこちら)。実際、同社の柱である出版ビジネスは目下、根深い課題を抱えている。
KADOKAWAの2026年3月期業績は、売上高は2829億円(前期比1.8%増)とわずかに増収を確保した一方、営業利益は81億円(前期比51.3%減)と大幅減益に陥った。

原因は、出版・IP創出事業とアニメ事業の収益性悪化だ。
アニメ事業の減益は26年3月期が大型作品の端境期に当たり、制作コストの上昇をまかなえなかったことが原因だ。
一方、出版・IP創出事業をめぐる状況はより深刻だ。同事業の業績推移を見ると、売上高は伸び続けている一方で、セグメント利益が22年3月期をピークに急落。24年3月期ころまでは製造工場や物流設備のための先行投資の影響があったとはいえ、その後、コロナ禍の巣ごもり需要の前を下回る水準に落ち込んでいる。
収益性悪化の遠因ともいえるのが、KADOKAWAが21年3月期ころから推し進めてきたIP(知的財産)拡大戦略である。エンタメ業界ではヒットを予測することが難しいが、新規で創出する小説や漫画などの作品数を増やすことで、ヒットの数も増やす戦略だ。出版で人気が出た作品は、アニメ化した場合の成功確率も高いなど、出版の新規IPはメディアミックスの基盤としても期待された。
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