P10でなによりも印象的なのは、その乗り心地が極めて快適なことにある。
私たちは、よく乗り心地と一言で括ってしまうが、このなかでとくに重要となるのが、路面からのショックがいかに伝わりにくいかを示す「ハーシュネス」と、ボディをいかに水平近くに保ち続けるかを示す「フラット感」のふたつである。このふたつの特性は、ときに相反する関係となることもあるのだが、EX60は、両者を極めて高い領域で両立させた点に大きな特徴がある。
ハーシュネスとフラット感を両立したEX60の走り
ハーシュネスでいえば、路面からゴツゴツしたショックが感じられないばかりか、大きな段差を何ごともなかったかのように乗り越えてしまうしなやかさを備えていた。通常、これだけ足まわりがソフトにストロークすると、ブレーキをかければクルマが前につんのめり、コーナリングでは大きく横に傾いてしまうものだが、P10では、そうした傾向はまったく認められない。
また、このクラスのプレミアムカーでは、高価なエアサスペンションを装着することでハーシュネスとフラット感の両立を図るケースも少なくないが、少なくともP10に限っては、電子制御式ダンパーこそ備えるものの、エアサスペンションは奢られていないという。それで、ここまで快適な乗り心地を実現したことに驚きを禁じ得なかった。

