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小中高生の自殺が増えている・・・原因は学校問題が46%、子どもたちは何に悩み追い込まれていくのか《3つのケース》

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廊下に座り込む生徒
子どもの自殺の要因は警察庁やこども家庭庁による調査があるがまだまだ課題は多い(写真:zon / PIXTA)
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トモコさんは小学校の頃からいじめを受けていた。堺市教育委員会のいじめ重大事態調査委員会では4件のいじめを認定したが、報告書の公表版では黒塗りで詳細が明らかではない。母親によると、主に、部活動内でのトラブルがあり、「死ね」や「うざい」と言われることがあった。

「いじめと認められたものは長年にあったごく一部だけでした。小学生の頃から、日常会話の中で、『死んでこい』『うざい』などと言われていました。ずっと嫌がっていました。言葉の表現が苦手で、言葉にできないつらさを抱え込んでいたために、通院していた医師にも正しく理解されないこともありました」

トモコは母親に学校での出来事を話していた。度が過ぎる場合は、学校に電話をし、教頭が担任に伝えていたという。部活のことは担任から部活顧問に伝えられた。

例えば、3年生が引退して新チームになった後のことだ。トラブルがあったものの、仲直りしたはずだった。しかし、後日、練習試合の場所、時間、弁当の有無などの連絡が前日の夜になっても届かない。この時、母親が教頭に問い合わせてわかった。しかし、練習試合中にも嫌がらせを受けた。

そのため、11月14日から、中1のトモコは不登校になった。その約1年後の19年10月26日夜、トモコは「疲れた。きょうは早く寝たい」と言い、夕食を食べずに自室に入って出てこなかった。深夜、母親が就寝していると、玄関のドアを開ける音がした。トモコさんは近所の友人の家へ夜に出かけることもあった。そのため、母親は「近所の友達の家に行ったのかな?」と思い、気には止めなかった。

しばらくすると、外から救急車のサイレンが聞こえた。トモコが転落したために病院に運ぶための救急車の音だった。その後、11月2日、母親のほか、親族がいる中、医師からトモコの死亡が告げられた。

母親は「何があったのか知りたい」と思い、市教委に調査委員会の設置を求めた。市教委は、いじめ防止対策推進法の重大事態と判断し、調査委を設置した。その結果、いじめがあったこと、不登校の因果関係は認めた。しかし、調査委が自殺との因果関係を調べていないことがわかり、求めた追加調査では、いじめと自殺の因果関係を認めなかった。

調査報告書では何があったのかわからないため、母親は再調査をしてほしいという願いがあった。しかし、当初、市教委は再調査を認めなかった。

「調査委には、『なんで亡くなったのか、わかりません、いじめ? 病気? 全部です。事故だとも思いたい』と言ったことは覚えています。トモコが自殺に至るまでのきっかけとしていじめがあったと思います。ずっと長い間、じわじわと『死ね』と、まるで洗脳されるかのように言われ続けました」

再調査が認められない中、母親はスマホのロックを外すことにした。それまで調査委では、ロックが外れていなかったため、スマホに残されているやりとりの見当はされていなかった。母親としてスマホの内容が「怖くて触れない」と思っていた。しかし、母親は、トモコのスマホのロックを外した。

すると、亡くなる3週間前、いじめ加害者とされる生徒から「地獄に落ちろ」というメッセージを見つけた。

調査報告書ではいじめと不登校の因果関係は認めていたが、自殺までに至る間に一定の「時間的な離隔」があることなどから、いじめと自殺の関係は認めていなかった。しかし、不登校になってもLINEで、トモコを責めるようなメッセージが送られてきていた。堺市教委は、申し入れどおりに、再調査を決めた。

「基本調査」だけでなく「詳細調査」の実施で再発防止を

3つの事例を見てきたが、 警察庁調査(25年中の自殺)の原因・動機で「学校問題」の内訳を見てみると「教師との人間関係」は3件のみになっている。一方で「進路に関する悩み」は55件。「学校問題その他」は38件。「教師による指導」の項目はない。「いじめ」は16件だが、一方、「学友との不和(いじめ以外)」は53件と多くなっている。

警察統計での「原因・動機」では「学校問題」が一定数上がっている。現場の警察官が「自殺統計原票」を作成するが、自殺に関する専門機関ではないため、学校問題を具体的に浮かび上がらせるのは非常に難しい。

一方、学校や教育委員会では、「児童生徒の自殺が起きたときの背景調査の指針」に基づき調査する。亡くなった早い段階ですでにある資料をもとにした「基本調査」と、聞き取りなどを加えた「詳細調査」がある。内実としては、「基本調査」は学校が把握した自殺の全件で行われるが、詳細調査は1割に満たない。

25年度に、こども家庭庁が委託したこどもの自殺の多角的な要因分析に関する調査では、「基本調査」をもとに分析した。学校が把握した情報をベースにしている。再発防止に活かすには、第三者の専門家らが行う詳細調査の件数を上げる必要がある。

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