衆議院議員の定数をめぐって、高市早苗首相(自民党総裁)が「比例代表のみで45議席削減」案での取りまとめを自民党執行部に指示したことが、与野党双方に複雑な波紋を広げている。野党だけでなく自民党内にも異論が多く、「今後の展開次第では、終盤国会での政権運営の“火種”にもなりかねない」(同党幹部)状況だ。
今回の比例代表のみの削減案は、自民党と連立を組む日本維新の会が求めたもの。自民党内からは「比例代表に限定するのはやむをえない」などと同調する意見が出る一方で、「比例中心に議席を得てきた野党の反発で、国会運営などでの連携が困難化する」などといった慎重論も根強い。
ただ、今回は高市首相の指示を踏まえて、自民党としては早期に党内意見を集約し、維新と削減のための「条文」をまとめたうえで、今国会中の関連法案提出と成立を目指す方針だ。
これに対して、野党陣営では中道改革連合の小川淳也代表が「総理が『議員定数はこうあるべきだ』と一方的に指示することには極めて大きな違和感がある」と反発。国民民主党の玉木雄一郎代表も「なかなか『はい、そうですか』とはならない」と批判している。今後、関連法案が国会に提出されれば、与野党対立の激化は避けられそうにない。
「公約を守る」と高市首相が幹事長に指示
自民党の鈴木俊一幹事長は6月4日午後に開いた政治制度改革本部の会合で、高市首相から「『政権公約を守る』すなわち『今国会で1割を目標に定数削減を目指す』、そして『比例代表で削減を行うよう党内の意見をまとめてほしい』」との意向が示されたことを明らかにした。そのうえで「比例代表に限って45議席削減するのが高市総理の意向だ」と説明した。
これに対して、出席者から「地方の声を国政に反映させるためには小選挙区をこれ以上削減するのは難しく、比例代表のみでの削減はやむをえない」などの賛成意見が出た。ただ一方で、「小選挙区と比例代表をともに削減する昨年の提出法案との整合性が問われる」「衆議院の協議会の取りまとめを待つべきだ」などの指摘もあって結論に至らず、党内協議を続けることになった。
