「飲食物の持ち込み自由」「室料0円」――。カラオケ業界で尖った施策を次々に打ち出してきたのが、「カラオケまねきねこ」などを展開するコシダカホールディングスだ。
展開する国内カラオケ店舗数は2025年8月期末時点で703店舗。16年8月期の457店舗から1.5倍超に成長し、今や国内最大のチェーンだ。海外でもここ数年で店舗数を2倍近くまで拡大している。
同社の特徴は、拡大する店舗網や売り上げとともに、利益率を高い水準で保っている点にある。冒頭で触れたような一見採算を度外視しているような施策を行いつつ、どのように利益を確保しているのか。
(前編の続きです)
客単価が安い若年層を「狙い撃ち」するワケ
全国カラオケ事業者協会によると、24年度のカラオケ参加人口は4070万人。21年度を底に22年度から3年連続で増加しているものの、コロナ前の水準(19年度、4650万人)を超えられていない。
この間、存在感を高めてきたのがコシダカホールディングスだ。
コシダカホールディングスのルーツは群馬県にある。もともとラーメン店として創業し、カラオケ店を初めて出したのは1990年。以降は基本的に郊外・ロードサイド立地を中心に規模を拡大してきた。
コロナ禍で業界が大打撃を受ける中、他社のカラオケ事業を買収するなどして店舗数を拡大。それまで業界1位は第一興商の「ビッグエコー」だったが、コロナ禍の出店攻勢で逆転し、いまでは200店舗ほどの差を付けている。
現在、まねきねこを支えるのは全体の3割ほどを占める高校生~20代前半の若年層だ。ただ、顧客全体の平均単価は1400円ほどのなかで若年層はそれを下回る水準だという。
より効率的に儲けを生み出すには、お金をたくさん使ってくれる顧客を狙うのが王道にも思える。にもかかわらず、なぜまねきねこは若者を狙った施策を矢継ぎ早に打ち出しているのか。
