明日の食い扶持のため『なんでも屋』に
山梨との県境に位置する長野県諏訪郡富士見町。この地に移住して10年になる音楽家の根本崇史さん(40)は音楽と教育、福祉、地域コミュニティや観光とを掛け合わせたプロジェクト「にじいろむじか」を主宰している。
地域を盛り上げる活動をさまざまに手がけ、今では町の有名人になりつつある根本さんだが、移住当初は音楽活動では食べられず、暮らすのにも困るほど苦戦していた。
「"え?!音楽にお金払うの?"って、驚かれることもありました。家を借りるのも苦労しました。多くの人たちの支えもあって、やっと音楽だけで食べられるようになりましたけれど、本当にいろいろとありました」(根本さん)
神奈川県出身の根本さんは高校を卒業すると国立音楽大学に進学、音楽教育と声楽を専門的に学び、卒業後は声楽家として都内の老舗高級ホテルなどで歌声を披露してきた。声楽家としての活動を主軸に音楽関係の仕事だけで生計は立てられていたのだが、ある時から自然豊かな場所での暮らしに憧れるようになったという。
「実は私は音に敏感すぎて、都会にいると、いろんな音を耳が拾ってしまうんです。ガチャガチャとした荒い音が特に苦手で、だから、静かなところで自分なりの音楽活動を模索したいと思ったのが移住を考えたきっかけです」(根本さん)
