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「音楽をやりたいならしがみつきなさい!」 "長野に移住→崖っぷち"だった若手音楽家を救った106歳おばあさんの言葉

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「天空ピアノ」スペシャルコンサート
移住先での音楽活動の一環として開いた「天空ピアノ」スペシャルコンサート(写真:にじいろむじか)
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30歳の時、東京を離れることを決めた。移住した富士見町は八ヶ岳の西麓に位置し、人口は約1万4000人。車があれば、蓼科など伝統ある別荘地や、東急をはじめとするリゾートホテルにも通える場所だ。

大型ホテルの中には結婚式場を持つところもあったため、声楽家としての需要もあるだろうと考えた。だが東京での実績を手に、結婚式やコンサートに音楽家を派遣する音楽事務所に登録したが、仕事はさっぱりこなかった。

雄大な姿を見せる八ヶ岳(写真:筆者撮影)

「考えが甘かった」

「考えが甘かったです」——。貯金を取り崩しながらなんとか生活をしていたが、このままいけばすぐに貯金は底をついてしまう。仕方なく、現金が手に入る仕事を探すことにした。

音楽活動も続けたいため、どこかの正社員になるわけにはいかない。ネットに「長野」「業務委託」と入力して仕事を探し、長野県内の電器店を回るルート営業の仕事やリゾート物件の内見に立ち会う不動産会社の仕事を始めた。

もちろんこの仕事だけでは食べていけず「農家の収穫バイトとか、ボイラーの定期点検作業の助手とか、とにかく、食べるためだと思っていろいろとやりました」。

季節に関係なく仕事のある介護施設でのアルバイトも始め、いくつかの仕事の組み合わせで、なんとか家賃を払い、食べていけるだけの収入を確保した。東京にいるころもいくつかの仕事を掛け持ちをしていたが、当時はほぼすべてが音楽関係の仕事だった。だが、八ヶ岳ではアルバイトが増えれば増えるほど、音楽の世界からは遠ざかってしまう。

「自分は何のために移住したんだ……」。まるで雲海の中にいるかのように、当初の目的も目標も見えなくなったという。

そんな中、農作物の収穫バイトに出かけた根本さんの体に異変が起こる。根本さんがやっていたのは収穫した野菜の入った10キロほどの箱を肩で持ち上げ、集荷用トラックに積み下ろしする仕事。早朝の3時や4時から作業を始めるもので、繁忙期は1日数百回は箱の上げ下げをしなければならない。

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