東洋経済オンラインとは
キャリア・教育

部活動の遠征「コストカットで安全軽視」の重い代償…学校のコンプラ意識と現場の限界が浮き彫りに【北越高バス事故】

8分で読める
学校の机に置かれた運動部のカバン
部活動の遠征で生徒の安全を確保するには(画像:Graphs / PIXTA)
  • 坂田 仰 淑徳大学総合福祉学部教授
2/5 PAGES
3/5 PAGES

部活動の移動を学校教育活動の一部と位置づけ、学校がどこまで組織的に管理していたのか。

契約内容を書面で明確にし、移動手段や運行主体を学校として確認するという、基本的なコンプライアンス意識が十分であったのかが問われなければならない。

文科省の4月通知が求めていた学校側の確認責任

事故発生当時、部活動遠征時の移動方法を個別具体的に定める法令や通知が十分に整備されていたとは言い難い状況であった。ただ、26年4月7日には、文部科学省が校外活動全般の安全確保を求める通知「学校における校外活動の安全確保の徹底等について」を発出している。

さらに事故後の5月19日には、部活動の遠征等における安全確保について、緑ナンバーの確認、運送引受書による契約内容の明確化、レンタカー利用時の免許・保険・貸渡約款の確認等を求める「部活動の遠征等における安全確保について」という通知が出されている。

以下では、今回の事故が発生した当時すでに発出されていた4月7日付けの通知を前提に問題点を考えてみたい。なお、この事故を受けて部活動の移動手段を再検討している学校は、このリストを基に確認してほしい。

1. 運送業者の適切な選定と学校側の主体的な安全管理

校外活動時の安全確保について、学校の危機管理マニュアルを点検し、必要に応じて改定すること、校外活動の計画段階で現地状況や移動経路、関係者との事前調整、緊急連絡体制などを確認することを求めている。旅客運送を利用する場合にも、業者任せにせず、学校側が活動全体の安全確保に主体的に関与することが求められる。

2. 無理のない移動計画の策定と事前の経路確認

日程、目的地、経路、利用する交通機関などを十分に検討し、生徒の安全と健康の保持において無理のない、適切な計画を作成し、指導すること、事前の打ち合わせ等を通じて経路や交通機関の確認、現地の最新情報の把握などに努め、安全に実施するために必要十分な情報を集めること等が求められている。

3. 引率体制の確立

引率の責任者を明確にし、十分な人数の引率者を配置し、予期せぬ事情の変化(悪天候や交通渋滞、ドライバーの体調不良など)が生じた際、無理をして目的地へ向かうのではなく、日程や経路を変更するなど臨機応変な措置をとることが求められる。トラブルに対し、現場で安全を優先した行動をとるための指針といってよい。

4/5 PAGES
5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象