2025年4月と11月に価格改定を実施しながら既存店客数がプラスを維持し、値引依存度も下がった。コスト高が続く外食業界でなぜここまで収益が改善できるのか。この問いを確かめに行きたかった。
もうひとつは、取材直前に40年ぶりの大刷新が始まっていたことだ。
1985年の誕生以来、ブロンコビリーの看板商品として親しまれてきた「新鮮サラダバー」が、2026年4月1日より「ブロンコビュッフェ」として全店でリニューアルされた。自社開発のオリジナルカリー、炭火炙り焼き芋など新要素を加え、「自分好みに仕立てる滞在価値」へとコンセプトを転換した刷新である。同社は「40年間守り続けてきた『新鮮サラダバー』という名称を変えることは当社にとって非常に大きな決断だった」と公式に記している。
値上げを進めながら客数を維持し、さらに40年ぶりの刷新まで進める。その現場を見届けなければと思った。なお、2025年4月と11月に一部メニューの価格改定を実施しており、同期間の既存店客単価は前年同期比+6.2%となっている。
価格改定成功の構造分析
なぜ価格を上げながら客数を維持できるのか。決算資料をもとに構造を読み解く。
鍵となるのが、同社が長期ビジョンとして掲げる「ご馳走カンパニー」という概念だ。「食を通じて人を幸せにしたい」という経営理念のもと、値引きで客を呼ぶのではなく、体験の質で選ばれる店をつくるという宣言である。
その具体的な表れが値引率の縮小だ。値引率は、クーポンやキャンペーンなどによる値引き施策の影響が表れる指標である。2025年1Qの9.8%から2026年1Qは8.1%へと1.7ポイント縮小した(余談だが、こうした販促値引きの水準まで継続的に開示している企業は限られる。名古屋企業ならではの細やかさといったところだろうか)
さらに2025年10月から12月にかけて実施した「140店舗突破 大感謝祭」の再来店効果が、2026年1月以降の客数を支えたと同社は決算短信本文で明記している。割引で一時的に集客するのではなく、体験を通じて再来店につなげる設計だ。
