実はこのような、旧国鉄系鉄道会社と同グループのインフラ管理機関による新規参入に対する妨害は、過去・現在を問わず起きている。
オープンアクセス黎明期のイタリアでは、2010年に新規参入した「アレナウェイズ(Arenaways)」という運行会社が、停車駅の設定が地域の公平な競争を妨げている、という言いがかりに近いクレームを付けられ、結局半年で一時撤退という状況へ追い込まれてしまった。その後、高速列車「イタロ」が参入する際も、走行中に不自然な振動が記録されたとして認可がなかなか下りず、運行開始は予定より1年遅れた。
フランスやポーランドでも
フランスも、スペインの高速列車「AVE」に対して乗り入れ区間などに制限を設け、パリ直通はいまだに実現していない。イタリアのフレッチャロッサはパリ乗り入れを実現したが、かつてフランスはイタリアの高速列車乗り入れを拒否していた経緯がある。言葉は悪いが、イタリア側からすれば、今回のTGV-Mの問題はその当時の仕返しと言えなくもない。
最近では、2025年にポーランド国内線の運行に参入を果たしたばかりのチェコの民間運行会社「レギオジェット」が5月3日限りで当面撤退する、と発表した。
運行ダイヤや発着枠、販売価格の制限、競合他社(旧国鉄系のポーランド鉄道)による不当な低価格戦略など、公正な競争が損なわれているというのがその理由だ。これらが是正されない限り、再参入の予定はないと同社は述べた。
