レギオジェットはチェコ国内で高い評価を受け、旧国鉄系のチェコ鉄道を脅かす存在へと成長。現在は近隣のオーストリアやスロバキア、ハンガリーへも乗り入れ、満を持してポーランド国内線に参入を開始したばかりだった。運行会社間の競争によって鉄道が活性化しEUが目標として掲げる、ほかの交通機関からの利用客の転移という効果が期待されたが、現実には、レギオジェットに対して「敵対組織による侵略」という観点のネガティブな報道も目立った。
一方でポーランド鉄道も、ほかの運行会社に対してクレームをつけている。民間の「レオ・エクスプレス」に割り当てられたダイヤが、ポーランド鉄道の列車の4分前だったことで、乗客がそちらへ流れる懸念があるという内容だ。もちろん、これも言いがかりに近いものとみなされており、ポーランド鉄道による遅延戦術の一つだろうと多くの関係者は認識している。
「既得権益の維持」がもたらす悪影響
こうした問題は、上下分離化が行われているにもかかわらず、今も旧国鉄系の運行会社と、以前は旧国鉄として同じ組織だったインフラ管理会社につながりがあり、既得権益を守るために「妨害」が行われていることを暗に示している。
上下分離によって、公共交通機関としての鉄道がきちんと機能するようになった成功例はたくさんある。しかし反面、既得権益を維持するために他社を締め出すような行為は各国の国民に悪印象を与え、鉄道業界全体に悪い影響を与えかねない深刻な問題だ。
公平性が保たれなければ、真の競争を達成することは難しい。上下分離・オープンアクセス制度のもとでは、インフラ部門はとくに公平な立場でしっかりと舵取りができる組織となることが求められる。
