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ヨーロッパ鉄道界で横行、「新参会社いじめ」の実態 日本とは違う上下分離方式、「公正な競争」のはずが

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TGV-M 試運転
フランス国鉄がイタリア国内線での運行を目指している新型高速列車「TGV-M」の試運転(撮影:橋爪智之)
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ヨーロッパ各国の高速鉄道網の多くは、2002年に定められたTSI(相互運用性に関する技術仕様)に準拠して設計されており、イタリア国内に建設された高速新線もこの基準を満たしている。TGV-Mもこの基準に基づいた設計なので、イタリア国内の「高速新線を」走行することには何の支障もなかった。

ところが、高速新線と並行する在来線区間に問題があった。イタリア国内の路線網の中でも、とりわけ古いミラノ―ローマ間の在来線区間の多くは19世紀に建設された区間が多く、TSIの規格より少し狭い。TGV-Mの車体は高さ4.32mで、現在イタリア国内で運行されている高速列車「フレッチャロッサ」や「イタロ」(どちらも4m)より32cm高い。

つまり、この区間をTGV-Mが走行したとき、トンネルなどの構造物に車体が接触する可能性をRFIは指摘したのだ。

イタリアの高速列車「フレッチャロッサ」。旧国鉄系のトレニタリアが運行する(撮影:橋爪智之)
イタリアの高速列車「イタロ」。民間企業のNTVが運行する(撮影:橋爪智之)

本当の狙いは「参入を遅らせること」か

ヨーロッパでは、高速列車でも在来線を走行することがある。事故や災害などで線路が閉鎖されたとき、その区間だけ在来線へ迂回という措置を取ることがあるためだ。もし、TGV-Mがイタリア国内の高速新線で運行中にトラブルが発生した場合、トンネルに接触する恐れがあれば、在来線へ迂回できず立ち往生することになる。最悪の場合、ほかの列車の運行にも支障が及ぶ可能性がある。

チェコの試験線で試運転中のTGV-M(撮影:橋爪智之)
【写真を見る】フランス国内で並んだフランス国鉄とトレニタリアの高速列車。熾烈な競争を繰り広げている

ただ、この話は「書類上の不備」や「設計ミス」という単純なものではない。背景には、フランス国鉄のイタリア国内線参入を好ましく思わない側の「意図」が見え隠れしているのだ。

【写真を見る】ヨーロッパ鉄道界で横行、「新参会社いじめ」の実態 日本とは違う上下分離方式、「公正な競争」のはずが(20枚)
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