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AI時代に問われる日本の大学の存在理由とは何か…低コストで幅広く知識を伝達するやり方はこのままでいいのか

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(写真:tomcat/PIXTA)
  • 苅谷 剛彦 上智大学特任教授・英オックスフォード大学名誉教授

生成AI(人工知能)が大学教育に大きなインパクトを与え、英語圏では大問題になっている。学生がAIを使って試験の模範解答を準備したり、リポートを代筆させたりするといった成績評価に関わる問題はすぐさま思い浮かぶ。しかし、問題はそのような表層的なレベルにとどまらない。

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より深刻なのは、大学とは何をするところかという存在理由に迫る問題である。AIは今、英語圏で大学教育や学生の学びをどう捉え直したらよいかという根本的な問題を突きつけている。この点で、日本はより深刻な立場に置かれている。

イギリスの大学で長年教えてきた筆者の経験から見ると、日本の大学は費用をかけずに、効率的に幅広く知識を伝達することに強みを発揮してきた。いまだに文系の学部では、大人数の講義形式の授業が大半を占め、そこでの成績評価は知識の習得を中心にする。

他方、オックスフォード大学における少人数のチュートリアルと呼ばれる教育では、学生に多くを読ませ、書かせ、それらを基に議論を行う。知識の伝達は文献講読を通じて行い、授業ではそこで得られた知識や情報をいかに組み合わせ、自分なりの議論を作り上げるかが問われる。知識の習得を超え、それを活用する思考力の育成が主眼となっている。

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