教職員の勤怠管理から施設の維持管理、各種調査への回答、そして保護者対応に至るまで、学校現場におけるあらゆる実務の結節点となっているのが「副校長」の職だ。
その多忙感を何とか解消しようと、東京都の港区立小学校副校長会では、ICTを活用して組織的な協力体制を構築した。実に93%もの副校長が負担軽減の効果を実感しているというが、どのような働き方改革を行ったのか。同会研究部に所属する、港区立白金小学校副校長の久保田謙氏に聞いた。
実態調査で副校長の「負担感」が明らかに
東京都港区には現在、19の公立小学校が存在する。この全校の副校長が参加する組織が「港区立小学校副校長会」だ。同会の働き方改革の起点となったのは、2025年6月に実施した副校長対象の実態調査だった。
港区では、ICTを活用して児童が自分に合った学び方を自分で選ぶ「複線型授業」や、入学当初に仮クラスを編制する「プレクラス制度」など、先進的な施策が次々と導入されている。実は、こうした新しい取り組みに伴う調査、調整、保護者への説明、結果報告といった実務の窓口は、そのほとんどが副校長に集中しているのが現状だ。
「負担が増す中、副校長がどこに多忙感を感じているのかを明確にしようと、時間的負担と精神的負担に分けてアンケートを実施しました」と、久保田氏は話す。
その結果、調査対応と児童対応に「時間的負担」を強く感じている傾向があることが判明。特に、多忙な年度初めに時間的な負担として重くのしかかっていたのは、教育委員会からの各種調査に関する業務だった。年度初めは学級数や児童数に関する調査、職員名簿作成にあたって必要な調査などが山ほどあるという。
