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「膨大な業務量」「1人職の孤独」・・・《副校長の多忙感》解消に挑む港区小副校長会、93%が効果を実感した負担軽減策とは?

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副校長イメージ
副校長の業務量は膨大だ。イメージ写真(写真:Luce/PIXTA)
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チャットと並ぶもう1つの改革の大きな柱が、共有フォルダ内に作成された「ToDoリスト」だ。副校長の業務は、月ごとの教員・講師の勤怠管理から日報の作成、講師採用まで、膨大かつ煩雑だ。特に採用関係の書類は、都費採用と区費採用で異なるため、経験の浅い副校長は戸惑うことが多いという。また、港区では以前から、学校経営支援員(副校長補佐)が配置され、日常のルーティン業務の負担は軽くなってはいたが、支援員への業務指示に時間がかかるという声もあった。

「セキュリティにも配慮して、共有ファイルサーバー内に、一般教員は見ることができない副校長専用のフォルダを区の許可を得て設置し、そこに『毎日・毎週・毎月やるべきルーティーン業務』の手順や支援員への業務指示、採用手順、調査対応、などをすべて載せています。調査に関しては各校の回答事例なども共有し、経験の浅い副校長が先輩の回答の仕方を参考にできるようにしています。さらに、教員向けのOJT資料として、保護者対応での電話の取り方など、新任の教員に伝えておくべき内容も共有しています」

共有フォルダ内に「TODOリスト」を作成(画像:久保田謙氏提供)

チャット、並びにToDoリストによる「知の共有」の効果は絶大で、事後アンケートでは93%の副校長が「負担軽減につながる」と回答。特に経験の浅い副校長からは、「どの書類を出せばよいのかわかるようになった」「ToDoリストがかなり参考になる」といった声が寄せられたという。

「新たな負担を増やさない」視点で改善

今後について、久保田氏は「事故対応や災害対応、トラブルがあった際の保護者対応など、頻度は低くても発生した際に重い負担となる『イレギュラーな事例』の共有を強化したい」と話す。さらに、ToDoリストをよりわかりやすいフローチャート形式の手順書にアップデートすることも検討中だ。

同会の活動において特筆すべきは、この取り組み自体が副校長の新たな負担にならないよう、細心の注意が払われている点だ。ある程度経験を積んだ副校長が資料を整備し、経験の浅い副校長がチャットで質問しやすい雰囲気を作る。決して無理な仕組み化を急ぐのではなく、日々の実務に即した改善を心がけているという。

「チャットで実務的なやり取りを事前に済ませておけるようになったことで、月に1回の対面の集まりでは、お互いの近況報告など、より深いコミュニケーションが取れるようになりました」と久保田氏は話す。デジタルの有効活用は、アナログのコミュニケーションの充実にも寄与すると言えそうだ。

同会の挑戦は、個人の責任感に依存しがちな副校長の働き方を、デジタルの力で「組織的な協力体制」へと進化させた。この港区モデルは、25年度の東京都公立小学校副校長会の研究発表大会において実践報告として共有されたが、多忙感に苦しむ全国の副校長を救う一助としても大きな可能性を秘めているのではないだろうか。

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