「すべての調査の窓口が副校長になるのですが、日中の時間は授業観察や児童対応、業者などとの打ち合わせに時間を取られるため、調査回答は夕方以降。こうした時間的負担が多忙感に直結している実態が浮き彫りになりました」
「精神的負担」に関しては、児童同士がトラブルを起こした際などの保護者対応と回答する副校長が多かった。港区は保護者の教育意識が高く、それによるプレッシャーも無視できない。新しい学習指導法についても、「なぜこれが必要なのか」「テストの成績はどうなっているのか」といった丁寧な説明ができるよう準備に心をくだいている。
朝6時台から休憩なし、過酷な日常
そもそも、副校長の「多忙感」とはどの程度のものなのか。久保田氏のある1日を例にとると、朝は6時40分に出勤して校内の全施設を見回り、安全を確認することから始まる。日中は、児童や保護者への対応、教職員間の調整、さらには山積する事務書類の作成といった校務が、休む間もなく舞い込んでくる。退勤時間は19~20時、学校現場が一年で最も慌ただしくなる4月の年度初めともなれば、21時を超えることもある。
給食の時間も、副校長には「検食」という重要な業務があり、アレルギー対応食の最終確認などに追われるため、「ゆっくり味わっている場合ではない」という。「正式には15時30分から16時15分が休憩時間ですが、そこで休憩してしまうと仕事が終わらず、帰るのが遅くなってしまうため、ずっと仕事をしています」と久保田氏は淡々と語る。
また、教員や講師の勤怠管理、採用関係も副校長の業務だ。特に産休や育休に伴う代替教員の確保は、近年の人手不足も相まって困難を極めている。
「代替教員を探すために100人を超える候補者に連絡を取っても、1人か2人、見つかればよいほうです。どうしても見つからない場合、副校長が自ら教壇に立つこともあり、昼間は授業をして、子どもたちが下校してからようやく本来の事務業務を行う。これは本当に過酷な状況です」
そのほか、研修管理や学校の施設管理、学校の様子を外部に発信する広報的な活動も担う。「アンケート結果を見ると、6割くらいの副校長が月に1~2回は休日出勤をしていました」と久保田氏は言う。
