素敵なショップやカフェが並ぶ目黒区の一角に、ひときわ美しい佇まいで目を引くカフェがある。
外から見ると、木材を使ったガラス張りのどこか懐かしい建物。入り口に佇む庭木や石灯籠が和の趣を醸し出す。店内に入ると、吹抜けの開放的な空間にそびえるのが、巨大な焙煎機。60kgのコーヒー豆を焙煎することができるという。
ここはロースタリーを備えたカフェ「Factory & Labo 神乃珈琲」だ。
豆の産地、焙煎具合、ブレンドなどにこだわったコーヒーは、600円と思いの外リーズナブルな価格。そのほかオリジナルのサンドイッチやスイーツも豊富に揃う。
平日は憩いの時間を求める近隣住民で、土日は遠方から訪れるカフェ巡り客で店がいっぱいになる。
運営しているのは…?
規模からも個人店ではなかろうと推測するも、その運営元がドトール・日レスホールディングスと知ると意外に思う人が多いだろう。開業は2016年。その後、神乃珈琲ブランドは銀座、京都などにも展開を広げ、現在までに12店舗となっている。
ドトールコーヒーショップやエクセルシオール カフェなどカフェ業態だけで約1600店舗を展開するドトール・日レスホールディングスが、ここまで先鋭的なこだわりカフェを出店する意図とはどんなことだろうか。
日本の喫茶店の変遷を眺めてみると、喫茶店の数は1981年の15万4630店舗をピークに減少を続けてきている。代わって台頭してきたのが、ドトールを嚆矢とするセルフ式のカフェチェーンだ。
セルフ式カフェチェーンはアクセスの良い立地に出店し、セルフ、高回転率で価格を1杯200円程度に抑え、人との待ち合わせ、打ち合わせ前の時間潰しなど、短時間利用の需要を取り込んで店舗数を拡大してきた。
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【フルサービス型の人気も再び高まっている】
