もし、差別のせいで女性がSTEMの分野に進むのが妨げられているとしたら、正反対になっているはずだろう。なにしろ、女性が科学者になりたければ、フィンランドよりもアルジェリアのほうが、乗り越えなければならない壁が多いだろうから。
ところが、STEMの分野での大学卒業生に女性が占める割合は、アルジェリアでは40%を上回るのに、フィンランドでは20%でしかない。
こうしたデータはややこしい。男女公平性の影響がないことは考えられるかもしれないが、予想されるのとは逆の影響が見られるのだから驚きだ。
事の真相はおそらく、男女公平性はあまり関係なく、金銭が重要なのだろう。男女公平性が低い国は貧しい傾向があり、STEMのキャリアは、どんな国でも経済的な成功への明白な道筋なのだ。
比較的貧しい国に暮らす女性は、優れた数量的技能を持っていれば、確実に生計を立てられるように、科学の分野に進む。ところが、比較的豊かな国に住む女性は、優れた数量的技能を持っていても、STEMよりお金にならないキャリアを追求する。それでも貧乏生活に陥る危険がないからだ。
これらのデータからは、STEMにおける性差は、もう差別や障壁とはあまり(あるいは、ひょっとするとまったく)関係なく、つながりと自主性における性差とおおいに関係している可能性が浮かび上がってくる。
もしそうなら、科学の分野でのキャリアに進むように女子を奨励しようとして、毎年費やされる厖大(ぼうだい)なお金は、別の用途に回したほうがいいかもしれない。
たとえば、保育はコンピューター科学と比べてさえ男女の偏りが大きい(ただし、逆方向に、だが)から、女子のためのプログラミング短期集中講座は、男子のための保育短期集中講座に置き換えることも考えられる。
言語課題では女子は常に男子に優る
最後に、ジェンダー/STEM論争には、注目されていないに等しいものの、なおさら大きな性差が見られる面がある。
STEMでは男子が女子よりも成績が良い傾向があることは、大きな関心や懸念につながってきたが、言語課題では女子は男子よりも常に成績が良いという事実はほとんど何の関心も集めてこなかった。


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