今回、ネバダ大学の教授が、「不快さ」や「不便さ」が私たちの健康を向上させ、人生を豊かなものにすると説く『快適さの罠:私たちの祖先が経験した「不快さ」が人生を充実させる』より、一部抜粋・編集のうえ、お届けする。
人はなぜ食べ過ぎるのか
マーク・ポテンツァ博士は、医師であり、精神医学の博士号も持つイェール大学の教授だ。15の学術誌で編集委員を務め、600本を超える論文を発表し、その研究はおよそ4万回も引用されている。
肥満のメカニズムを解き明かすうえで、これほど几帳面で信頼できる科学者はいないだろう。「私は、人間にとって有害になり得る行動を理解することに関心を持っています」と彼は語った。
「なかでも、長年にわたって興味を抱いてきたのが食べるという行動です。公衆衛生への影響という観点から見たとき、最も深刻な結果をもたらす行動は何だと思いますか? それは肥満と喫煙です。罹患率と死亡率の高さでは、このふたつがつねに上位を争っています」
ポテンツァは、人が病的ギャンブルなど、有害な行動に走る理由について研究する、世界でも指折りの専門家として知られている。数百におよぶ研究のなかで、彼はストレスこそがそうした行動を引き起こす主な要因であることをつきとめた。



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