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老いるのは人だけではない。日本全国で、マンションの老朽化が進みつつある。
国土交通省の調査によると、2024年末時点で築40年超えのマンションは全国に148万戸。10年後には293.2万戸と約2倍に、20年後には約482万戸と3.3倍ほどに急増すると試算されている。
いつかは直面する「マンションの寿命」。しかし、実際に建て替えを実現できるマンションはごく一握りであり、合意形成ができず「廃墟化」の道を辿る物件も出始めている。
そのため、建物と居住者の「2つの老い」に対処することを目的に、2026年4月から改正区分所有法が施行された。しかし、問題は山積みだ。
老朽化マンションの過酷な現実と、その裏に潜む「管理不全」の問題を取材した。
建て替えられたのは、全国でもわずか300件ほど
国土交通省によると25年3月31日時点でマンションの建て替え実績は累計で323件にとどまっている。全国での事例を合わせてこの件数なのだから、いかに「マンション建て替え」のハードルが高いかがわかるはずだ。
なぜ、ここまで件数が少ないのか。
それは住んでいる住民同士での「マンション自体をどうしていくか?」という合意形成が難しく、非常に時間がかかるからである。マンションを同じ場所に建て直す「建て替え」には、当然費用が必要である。その額は数十億円にのぼることも少なくない。
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【“行政の規制”というハードル】
