そこで元の戸数よりも部屋数が多いマンションを建てて、新しく作った部屋の売却益を建設費に回す手法が主に取られてきた。ゆえに、そもそもマンションを高く大きくできるかがポイントなのだ。
しかし、新しく建物を建てる際には“行政の規制”というハードルがある。マンションの高さには「絶対高さ制限」があり、第一種・第二種低層住宅専用地域では高さは10mまたは12mで、容積率は150~200%の地域が一般的だ。
元々あるマンションの高さと容積率がギリギリだった場合には建物は大きくできない。部屋数を増やそうとして建て直すと当然1戸辺りの面積は狭くなってしまうのが実情なのだ。
部屋数を増やさずに現在の部屋の広さで建て替える場合には、売却益が得られないので、もともと住んでいる住民にも費用負担が生じることになる。
マンションが築40年を超えてくると、住む人も入れ替わっていく。長く住んでいくなかで、「マンションの維持管理が難しくなっていくから建て替えたい」という建て替え派と、「このまま死ぬまで住み続けたい」という反対派に分かれて、議論が紛糾してしまうのだ。
築46年、修繕ゼロの「建て替えできない」マンション
築40年を超えたマンションはどうなってしまうのだろうか。結論から言えば、管理さえしっかりしていれば住める。しかし、管理が杜撰であれば当然、住めなくなっていく。
管理とは、建物を維持するために必要な修繕を行うことである。東京23区内で不動産業を営む花井健氏(仮名)が、「築46年で、竣工以来、何もしていない」という築古マンションに案内してくれた。
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【外壁には、ところどころ穴を塞いだ箇所が…】
