ブランドについて語る時、「世界観が大事だ」といった言葉をよく耳にする。
とりわけ2015年前後から注目を集めたDtoC(Direct to Consumer)、すなわち消費者に直接販売するビジネスモデルの創業者や支持者たちは、この考え方を盛んに唱えていた。
たとえば、ウール素材のスニーカーで話題を呼んだオールバーズ(Allbirds)や、創業時に書籍の出版を通じてローンチしたスーツケースブランド・アウェイ(Away)などは、その代表的な存在だ。これらのDtoCブランドは、書籍や雑誌、ソーシャルメディア、ポッドキャストなどのコンテンツを駆使し、「世界観=ブランド独自の雰囲気や空気感」を差別化の軸として成長してきた。
「世界観」ではない
しかしその後、多くのDtoCブランドは失速していった。アウェイは急成長の裏で経営体制の問題が表面化し、オールバーズは株式上場後に売上が伸び悩み、大規模なリストラを実施することとなった。初期の話題性や共感は得られたものの、持続的な成長にはつながらなかったのである。
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【印象や雰囲気の演出には限界がある】

