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アメリカで脚光「グランドセイコー」大人気の理由→スイス高級時計の"空白地帯"にリーチ、次に仕掛ける「クレドール」ラグジュアリー戦略の勝算

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グランドセイコーファンから支持の厚い「スプリングドライブ」は、文字盤の上を滑らかに動く秒針が魅力となっている(記者撮影)

日本の老舗時計メーカー・セイコーが、アメリカ市場で静かな熱狂を生み出している。

ニューヨーク市マンハッタン。エルメスやトム・フォードといったラグジュアリーブランドが軒を連ねるマディソン・アベニューに、「グランドセイコーフラッグシップブティック ニューヨーク」は店舗を構える。

重厚な扉をドアマンに開けてもらい入店すると、午前中にもかかわらず店内は活気づいていた。その中で、ラフな服装の若い3人組の男性のうちの1人がショーケースの腕時計を手に取り、店員と熱く語り合っている。そのやり取りに、同行する2人が静かに聞き入る姿も印象的だ。

マディソン・アベニューの一角に構える「グランドセイコーフラッグシップブティック ニューヨーク」(記者撮影)

一方、別の席では買い物を終えた客が、提供されたサントリーのウイスキーを傾け、満足げに余韻に浸っていた。ここは時計を買うだけでなく、ブランドの世界観を体験する場として機能しているのだ。

マディソン・アベニューの店舗は、観光客でにぎわう五番街から一本入った落ち着いた通りに構えている。

あえてこの立地を選んだ狙いは、ニューヨーク周辺のトライステート(3州)エリアに住むローカルの富裕層を取り込むことにある。近隣には金融機関が集積しており、昼休みや仕事帰りにふらりと立ち寄るビジネスパーソンの姿も少なくない。

ブランド独立で生まれ変わる

こうした直営ブティックの展開は、グランドセイコー(GS)が進める海外戦略の一環だ。2010年から海外進出を始めたGSだが、転機となったのは17年。「SEIKO」の一部門から独立ブランドとして再スタートを切った。

文字盤から「SEIKO」のロゴを排し、12時の位置に「Grand Seiko」を据えた。商品構成や販売手法も含め、ラグジュアリーブランドとしての世界観を再構築した。

午前中にもかかわらず高級感のある店内には活気が漂っていた(記者撮影)

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【何が彼らの心をつかむのか】

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