牛丼チェーン最大手の一角、「すき家」が驚きの一手を打った。
発売されたのは「とん汁みそらーめん」。これまで他チェーンが仕掛けてきたラーメン戦略に対し、「すき家」がどう応じるのか注目されていた中での一手であり、ラーメン界においても意外と大きなニュースである。
一見すると、既存のとん汁に麺を合わせたシンプルな商品。しかしこの一杯は、単なる新メニューではなく、牛丼チェーンが直面している構造的な課題と、その打開策を示すメニューである。
なぜ今、「すき家」はとん汁ラーメンを選んだのか。その背景と狙いを読み解いていきたい。
牛丼チェーンのラーメン戦略
まず押さえておきたいのは、牛丼チェーン各社がここ数年、明確にラーメン領域へ踏み込んでいるという事実だ。
吉野家はラーメン店のM&Aを進め、専門業態の獲得に動いている。加えて「牛玉スタミナまぜそば」を皮切りに、「牛肉玉ラーメン鍋膳」「油そば」といった限定メニューを展開し、既存店舗でもラーメン的な商品をテストしてきた。
一方で松屋フーズも動きは活発だ。ラーメン専門店「松太郎」をオープンしたほか、さらに人気つけ麺ブランド「六厘舎」の松富士をM&Aで傘下に収めるなど、外食企業としてのポートフォリオを広げている。
つまり、牛丼チェーンにとってラーメンはサイドメニューではなく、明確に攻略すべき市場となったのだ。
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【ローカルから広がってきた「とん汁ラーメン」】
