近年では、この「たちばな」監修のとん汁ラーメンがチェーン店「らあめん花月嵐」でも展開されるなど、首都圏を中心に認知が拡大。さらに、アメリカ・ニューメキシコ州サンタフェで開催された伝統的なスープコンテスト「SOUPER BOWL」に日本代表として出場するなど、話題性も高まっている。
また、とん汁専門店として人気を集める「ごちとん」も見逃せない。こちらは「とん汁を主役にする」というコンセプトで成功し、ビジュアルや提供スタイルもどこかラーメン的。とん汁と麺文化の距離は、確実に縮まっていたのだ。
すき家の「とん汁みそらーめん」は単品360円
とはいえ、この「とん汁みそらーめん」、実際に食べようとすき家に向かうも、その一杯に出会うまでなかなか苦戦した。複数店舗を回ったが見つからず、最終的に本部へ問い合わせる事態となった。返ってきた答えは「東京では浅草エリアで展開中」。限定導入という慎重な姿勢がうかがえる。
向かったのは「すき家 台東下谷店」。ここでようやく実物と対面した。
まず驚くのは価格だ。単品360円。牛丼チェーンらしい圧倒的な低価格である。店頭では牛丼とのセット(850円)も打ち出されており、あくまで主役は牛丼、その補助線としてのラーメンという位置づけが明確だ。
実際に食べてみると、味わいは極めてストレート。既存のとん汁をベースにしたスープに、そのまま麺を合わせた印象で、油の追加などによるラーメン化は最小限に抑えられている。
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【「シンプルで控えめ」の裏にある戦略】
