24年度の教育職員の精神疾患による病気休職者数は7087人。23年度の7119人からやや減少したものの、7000人という大台を超えたままである。

その病気休職の要因を見てみよう。上位2項目は「児童・生徒に対する指導」「職場の対人関係」となっている。教師は児童・生徒に対する指導で疲弊し、職場の対人関係に問題を抱えることで心を病んでしまう――。
教職を目指す学生は、そうした実情を目にし、また耳にすることで、徐々に、「教師になるのはムリそうだな」となる。
私は2校で大学の教職授業を担当している。どちらも教員養成系大学ではないので、土曜日や夜間の授業に出て、単位を取得する仕組みである。遊びたい気持ちが強い年ごろだろうに、「私も恩師のようにステキな先生になりたい」と教職に魅了され、真面目に授業に出席している。
だが、その学生の多くが、「教職は取っているけど、先生になるのは躊躇する」と言うのだ。確かに魅力ある仕事であろうが、疲弊する現場の状況を見て尻込みするという。
文科省が進める小手先の対策ではなく、大胆な改革を断行しなければ、もはや教員志願者が増えることはないのではなかろうか。
教師の権限が弱すぎる?
なぜ教師は児童・生徒の指導に疲弊するのだろうか。それは子どもたちが教師の言うことを聞かなくても、何も問題は起きないと知っているからだ。
教師が注意をする。子どもは無視する。または言うことを聞かずにそのまま続ける。再び教師が注意をする。子どもは無視を続ける。ときに子どもは暴言を吐き、酷いときは暴力に打って出る。
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【教員用の個室整備で居場所づくりを】
